マーケティングとブランディングの違いとは
2020.11.11
ブランディングのセミナーを開いていると、
時々、企業でマーケティングを担当されている方がお見えになります。
「マーケティングとブランディングの違いは何ですか?」
「ブランディングに取り組みたいのですが、抽象的でよく理解できません」
など、様々なご質問をいただきます。
皆さんは「マーケティング」と「ブランディング」、どこが違うと思いますか?
ブランド・マネージャー認定協会では以下のように説明されています。
◎マーケティングは、売れる仕組みづくり
◎ブランディングは、売れ続ける仕組みづくり
もう少し具体的に考えてみましょう。
マーケティングでは、お客様に商品やサービスを買ってもらうために市場とターゲットを絞って、その魅力を(何らかの手段で)伝えます。
一方ブランディングは、ターゲットとなるお客様に「この商品(企業)はこういうもの(ところ)だな」と認識してもらうことです。
例えば、スターバックスでは、
新商品のドリンクや季節商品を出す際に、広告やHPで告知して来店を促し、商品によっては店内で試飲を促すなどして、購入してもらう仕組みを作っています。
これがマーケティングです。
一方ブランディングとしては、お店に来たお客様にフレンドリーな接客をしたり、リラックスできる音楽を流したりして、「スタバは(少し値段は高いけれど)居心地のいい場所を提供してくれるところだな」と認識させています。
するとお客様の心の中で、「自分にとってのスタバを利用する価値」が固まり、繰り返し訪れてくれるようになるのです。
この2つは、大きな違いがあります。
ご自身のお好きなブランドを一つ思い浮かべてみてください。
そのブランドの商品を購入する時、どんな理由がありますか?
「新商品が出たから」とか「何か魅力的な特典があるから(またはセールになったから)」などの理由がなくても購入するのは、そのブランドがあなたにとって、「何かしらプラスのイメージが、すでに確立されている」からではないでしょうか。
手を替え品を替え、あの手この手でその都度買ってもらう仕組みばかりでは、お客様の心の中にプラスのイメージを築くことは難しくなってしまうのです。
また、一度ブランドができると効果は持続します。
これは私の実体験の話です。
私は8年前に食と観光をつなげるインバウンドの任意団体を立ち上げ、長野県や長野市の観光PR活動に関わってきました。
しかしここ数年、特に今年は新型コロナの影響もあり、あまり積極的に活動や情報発信ができていませんでした。
にも関わらず、ありがたいことに今でも継続して講演や取材などのご依頼をいただいています。
・異業種団体や地元商店会の勉強会での講師
・商工団体の経営塾サポートメンバーへの参加
・県内の新聞や経済雑誌への掲載
・地元高校生や大学生、先生方に向けた講演etc
お声がけいただいたきっかけをお聞きすると、「人からの紹介」が最も多く、次いで「新聞やテレビなどメディアで見かけた」「別の講演で知った」などが挙げられました。
過去の活動を通して、「この人はインバウンドに詳しい」「この人に頼んだらこういう話をしてくれるだろう」と多くの方に認識していただいていることは非常にありがたいことであり、まさにこれが「ブランディング」なのだと感じます。
そしてお客様にしていただく「認識」は、こちらからの一時的また一方的な発信では得られず、時間をかけて育てていくものなのです。
ぜひ皆さんもマーケティングだけでなく、売れ続けるための仕組みづくりである「ブランディング」に取り組んでみませんか。
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