SDGs×ブランディングの力

2020.09.01

最近「SDGs」の話題を目にしたり、耳にしたりすることが多くなってきましたが、皆さんは「SDGs」をご存知でしょうか。
さらに、御社はSDGsに取り組まれていますか?

私は最近、お客様との会話の中でこの質問をよくするのですが、いろいろな答えが返ってきます。

「聞いたことはあるけど、それ何ですか」
「あの、学生さんがよくやってるやつね」
「うちは登録してないけど、自然に優しい取り組みは行っています」
「申請して、これから取り組もうとしているところです」

そして時にはこんなお悩みも耳にします。
「取り組まなければと思ってはいるけど、どうビジネスにつながるかわからない」
確かに、SDGsが直接「利益につながる」イメージが湧かないという方は多いでしょう。

ここで少し角度を変えて考えてみましょう。

SDGsとはご存知の方もいらっしゃると思いますが、「Sustainable Development Goals. = 持続可能な開発目標」です。

なんだかちょっと難しそうですが、
「このままの生活水準で地球資源を使い続けたら、2030年には地球が2つ必要になる」といわれるほど、いま人間の活動全般が地球の生命維持システムの限界に迫っているそうです。
SDGsは、それを改善するために、国連が2030年までに取り組むべき目標を具体的に17のカテゴリに分けて定めたものです。

現在は中学生や高校生が盛んにSDGsを学んでいます。
学校全体で取り組んでいるところもあれば、先生や学年毎に授業で学んでいるところもあります。
若い世代の学びはとても新鮮で力強いものです。

SDGsが目標とする10年後の2030年、その学生たちは20代から30歳前後になり、「社会での主役」になっています。
つまり御社にとっても「顧客」や「働き手」になっているのです。

その時に、その人たちに共感してもらえる企業体制が作れているでしょうか。
地球の未来を心配して、自分には何ができるか考え、実際に行動に移している子どもたち。彼らはそのうち自分が消費するものも身を置く環境にも、同様の価値観を求めることは必然でしょう。つまり、これから商品を買う際、そして就職先を選ぶ際にも、「社会の課題とどう向き合っている企業か」ということを重視する人が増えていくということです。
彼らの共感を得られれば、商品は継続して売れる可能性が高まり、入社後も長く勤務してもらえるでしょう。

SDGsとブランディングは「顧客企業のコンセプトに共感してもらう」という点でとても共通しています。

ブランディングをするにあたっても、「顧客社外(市場・顧客)への浸透」だけでなく「社内(従業員)への浸透」がとても重要になってくるんです。

例えばアパレルメーカーが、以下のことに取り組むとします。
・途上国で過酷な労働を強いて安い商品を作るのではなく、製造環境を整備し、無理のない生産体制を作り、働く人を大切にします。(17の目標の一つ「8働きがいも経済成長も」)
・環境にやさしい認証済みの原材料を使用し、使用後は回収してリサイクルします。(「12つくる責任 つかう責任」)

きちんとその取り組みが伝われば、「商品は多少高くても、従業員を大切にし、地球にやさしい原材料を使うというコンセプトを持つところから買いたい」と考える人からは共感を得て、継続して買ってもらえることが期待できます。

一方で社内では「私たちは働きやすい環境で、環境面で認められている原材料を使って洋服を作っている。(世の中のために役に立っている)」と、従業員の皆さんが誇りをもって働くことができるでしょう。

社外にも社内にも、その共感が強くなればなるほど、その企業や商品・サービスは強いブランドとなっていくことが期待できます。

自社では17ある目標のどの項目に取り組めそうか(または取り組んでいるか)、それを社内外にどう生かし伸ばしていくか。
この機会に考えてみてはいかがでしょうか。

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